【京都市東山区】六道珍皇寺でご先祖様お迎えの鐘に行列ができていました。8月19日から地獄へ通ずる井戸も公開されますよ!
「六道まいり」とは、お盆の時期に帰って来るとされる先祖の霊や精霊たちをお迎えする行事です。 「お精霊さん迎え(おしょうらいさんむかえ)」とも呼ばれていて、東山区の六道珍皇寺では、2021年8月7日から10日にかけてとりおこなわれました。
松原通は、平安時代は墓所の鳥辺山の麓でその入口付近に位置したことから「六道の辻」と呼ばれ、冥界への入り口と信じられていました。輪廻する先祖の霊を十万億土の冥界へも響き渡るといわれる由緒ある梵鐘の「迎え鐘」で現世へ迎え入れ供養するお盆の行事です。
今年は、コロナ禍で一般参拝は中止となった去年とは違って、通常通り開催されたとあって、たくさんの人が間隔をあけながらも行列を作っていました。ところで、六道珍皇子には、平安時代に朝廷の官吏でもあり、閻魔大王の補佐官でもあったと伝承される小野篁が地獄と現世の往来に使ったとされる「黄泉がえりの井戸」も残されています。
入り口とされる死の六道はここ六道珍皇寺にありました。では出口はどこにあったのか。生の六道は、実は、嵐山奥嵯峨の清凉寺、通称嵯峨釈迦堂の境内にありました。明治期に廃寺となった福正寺がそれにあたり、現在は福正寺跡の石碑だけが残されています。
これらの話は、「江談抄」、「今昔物語集」といった平安時代末期から鎌倉時代にかけての説話集に紹介されています。
六道珍皇寺では引き続き、2021年8月19日(木)~9月30日(木)まで、「冥界へ通ずる伝説の井戸」、さらに江戸期の地獄絵「熊野観心十界図」や幕末の絵師・森高雅筆の「幽霊画」なども特別公開されます。清水寺へ参拝の折には、ぜひこちらにもお立ち寄りください。