【京都市上京区】紫式部の寺で7月8日安土桃山時代以来の土塀が崩落、境内では桔梗が見ごろを迎えていました。蘆山寺
紫式部の邸宅跡地であり、節分の際に行われる勇壮でユニークな追儺式鬼法楽(鬼おどり)で知られる天台圓浄宗大本山・蘆山寺で、2021年7月8日夜、土塀が崩落していました。
蘆山寺の町田亨宣執事長によると、「初めての事態に驚いています、修復を繰り返してはいますが、この地に移転して以来(天正元年)の土塀ですので、長年の老朽化や寺町通を通るトラックなどの振動に、この時期続いた長雨が追い打ちをかけたのではないか」とのことでした。
7月10日に早々に土塀修理の準備に来ていた業者に尋ねると、「奥の土の練りこみなど特殊工法が必要なので、復旧に日数は掛かるのではないか」と話していました。
蘆山寺は比叡山第十八世座主元三大師良源が天慶年間(938)に開山した古刹で、織田信長の比叡山焼き討ちの後、天正元年(1573)に紫式部の邸宅跡地であった現在地に移転しています。この邸宅で、紫式部は結婚生活を送り、一人娘の賢子を育て、源氏物語を執筆したと言われています。
折しも、平安朝の庭園の「感」を表現した白砂と苔の庭「源氏庭」で紫の桔梗が鮮やかに咲き誇っていました。例年9月末頃まで愛でることができます。
みなさん土塀ではなく、桔梗を見にいらしてください。