【京都市上京区】堀川の水の上に、かやぶきの茶室が出現!建築の学生たちが卒業制作で伝統技術を継承しました。11月5日~7日に学園祭
2021年も残すところ2か月、11月に入って比較的穏やかな日が続いていますね。京都の大学や専門学校などでは学園祭のシーズンが近づいています。堀川下立売にある京都建築専門学校でも2021年11月5日から7日まで、建工祭が行われます。11月1日には、オープンキャンパスとして、大工部や設計部の生徒たちによって、堀川遊歩道の丸太町橋下手に、卒業制作ともなる堀川茶室が建てられ始めました。
突然、川の上にかやぶきの茶室が現れるようにも思えますが、実は今年で10年目、地元では「今年も始まったな」と風物詩にもなっています。同校の佐野春仁校長とOBでもある山城萱葺株式会社の山田雅史代表取締役の指導の下、学生ら約20人で、丸太を縄で固定していく伝統技法などを学びながら、茶室を組み立てます。
竹や杉は、京北の放置林から自分たちで間伐した木材を調達しました。切妻屋根の上に、京北でこちらも自分たちで刈り取ったもち米の後の萱を敷き詰めていきます。佐野校長は、「丸太を縄で結ぶことをはじめ、伝統技法ができる技術者が少なくなってきています。技術の継承を続けていきたいですね」と話します。
山田社長も「かやぶきはススキにくらべて、数年で吹き替えが必要になりますが、素朴で味わいがあって、蓄熱しないので涼しいです。コンクリのように産廃にならないですし、できる限り植物再生資源を使っていきたいですね。若い人たちに受け継いでいってもらいたい」と思いを語ってくださいました。
全校生徒の1割の女子学生の内、この日の制作に参加した、森川美来さん(20)と伊藤侑己菜さん(20)は、「川の上に土台の柱を作る作業が難しかった」「授業でやってる町家再生の体験と合わせて、屋外での貴重な体験ができて嬉しい」「楽しかったよね」と話していました。
学園祭当日は、お茶部の生徒たちによって、一般の人たちにも薄茶がふるまわれます。新型コロナウイルス感染症対策はしっかり行ったうえで、屋外の開放的な空間に出かけてみませんか。