【京都市中京区、下京区】山鉾巡行は中止ですが、4月18日、各地で疫病(新型コロナウイルス)退散の願い込め、神事が行われました。三条会商店街八坂神社又旅社、四条繁栄会
むか~し、むかしの物語。嫁探しの旅に出た八坂神社の御祭神・牛頭天王(須佐之男命とも)が一夜の宿を請うたところ、立派な屋敷の主人、蘇民巨旦は「貧乏人は泊められない」といって断りました。
困った牛頭天王が、今度は、貧相な家の主人、兄の蘇民将来に宿を乞うたところ、心安く止めてくれた上、粟飯を炊いてもてなしました。喜んだ牛頭天王は、「あなたの子孫は末代まで私が守りましょう」と言って茅の輪を渡します。
その後、疫病が流行しましたが、 蘇民将来の一族はその茅の輪を腰に巻いて難を逃れ、弟の蘇民巨旦は一家滅亡の憂き目にあったと言われています。
この伝承から、祇園祭の行われる7月には社頭や山鉾などで「蘇民将来子孫也」と記した「厄除けちまき」が授与されています。ちなみにこれは食べられません。また今でも、京の家の軒先には、「蘇民将来子孫也」の護符を張った木札や粽が掲げられていたりします。
三条会商店街の中ほどにある又旅社は八坂神社の境外末社です。祇園祭の還幸祭には、三基の神輿が奉安され、オハケを立てて奉饌祭が行われる祇園祭にはなくてはならない社です。2021年4月18日、蘇民将来祈願祭と、この度、又旅社が重要文化財に認定されたため、新しい看板の除幕式がおこなわれました。
また、2021年は、昨年に続いて、山鉾巡行が中止となったため、各山鉾での粽の授与などはできないかもしれませんね。そんなこともあってか、八坂神社の参道にあたる四条通のアーケード(6か所)には、四条繁栄会の手によって、新型コロナウイルスの退散を祈願し、八坂神社で祈祷された「長刀鉾の大型厄除ちまき(全長約2m)」が掲出されています。
本当に早くあたりまえの日常を取り戻したい。願いが届くといいな、みんなで祈願しましょうね!