【京都市上京区】コロナ禍終息の願いも込め、区役所ロビーで、無病息災、延命長寿の伝統の節句展が開催されています。
京都市の上京区役所で、2021年9月6日(月)~10日(金)まで「重陽の節句」の展示会が開かれています。京の暮らしの文化普及啓発実行委員会と上京ふれあいネット運営協議会が主催し、着せ綿された菊の花や百歳雛(ももとせびな)などが展示されています。
重陽の節句とは、旧暦9月9日に行われた行事で、「菊の節句」とも「栗の節句」とも呼ばれます。五節句とは暦の内でも最も気候の変わり目が激しい節目を五つの節に区切ったもの。1月7日は人日の節句、3月3日が上巳の節句、5月5日は端午の節句、7月7日は七夕の節句、9月9日が重陽の節句となります。
菊の花を生けこんだ、いけばな嵯峨御流の石川利佳甫教授によると、「周の帝への不敬罪で酈縣山(れつけんざん)流された慈童が、仏の功徳をほめる詩を菊の葉に書き写すと、葉の露がしたたって不老不死の薬となり、700 歳となっても少年の姿を保っていたという、祇園祭の菊水鉾の稚児人形にもつながる故事などから、菊は延命長生の花とされてきました。昔から重陽の節句の前夜に菊の花を露よけの綿でおおい、翌日に露と菊の香りが染みこんだ綿で体を拭いて、邪気を払い健康と長寿を願うという風習があった」と言います。
他にも、重陽の節句には、不老長寿を願って、湯船に菊を浮かべて入ると、菊に含まれるカンフェンなどの成分によって、血行や新陳代謝の促進で体が温められる。菊を詰めた枕で眠り、菊の香りで邪気を祓い、美容や健康を願う。酒に菊の花を浮かべ、楽しんで飲みながら長寿を祈ると良い。などの風習があります。
上京区役所の1Fロビーで開かれていますので、お近くの際にはお気軽にお立ち寄りください。